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自転車の出張修理クローバー

宮崎県宮崎市にお住まいの方、自転車の故障でお困りの際は、ぜひ当店におまかせください。

古いBSのメンテナンス つづき

かなり間が空きましたが前回からのつづき。
Uさんから譲り受け、自分用に仕様変更しちょい乗りで活躍していたBS。

しばらくして、Uさんちの娘さんの自転車の点検のご依頼がありお伺いしました。
その際に『今こんな感じになってるんだけど、やっぱりUさんが乗った方が良くない?』と提案。
軽くメンテナンスしただけで相変わらず調子も良いし、以前修理した際に『仲人さんに買って戴いた』
という話も聞いていたのでこれはUさんが乗るべきではないかと思いはじめていたんですね。

『愛着はあるからやっぱり乗ろうかなぁ。そしたら内装3段でオートライトがいい!!』
はいはい、これからそういう風に変更予定だったので部品は揃ってますよ。
というか、自転車の事に詳しくなってるのにビックリしました。

少々時間を頂く事と場合によっては中古部品も利用するのでという了解を得て、通常業務のすき間すき間に作業しました。
チェーンカバー
現行の自転車と違い厚みのある素材で作られたチェーンカバー。
長く乗っている車両ですがほぼ変形無し。

ボトムブラケット ギアサイド
今後も長く乗りたいという事でしたので、クランク・ボトムブラケットをバラしてメンテナンス。

ボトムブラケット ノンギアサイド
この年代の自転車で見られるタイプのボトムブラケットでした。

クランク
アメリカンBBの様な構造で3ピースクランク。
左右のベアリング径が異なり、ギア歯も独立しておりシャフトも四角テーパーでは無くスプラインが
切ってあるタイプ。
ギア歯は経年の使用で山が減っておりました。新品の交換部品も入手は無理だと思われます。

アルミクランクアーム
今後のメンテナンスや万が一の修理の事も踏まえ、現行のボトムブラケットに交換しました。
クランクは一般車用のアルミ製に。 多少軽量化も出来た感じです。

全体的に色あせが有ったのですが、ワックスをかけると良い具合に艶がでました。

内装3段
ご所望の内装3段変速機にステンレスリム。
チェーンカバーが半カバータイプなので防塵タイプのチェーンを使用してます。

ステンレスハンドル
変速レバーはピアノタッチレバーに。
グリップ式のもあるのですが、ブレーキレバーの取り付け位置が左右で変わってしまうので
個人的にはこちらの方が好みです。
カゴもステンレス製。 デザイン的にはもうひとひねりかなと思いましたが実用性を優先しました。

全景
この状態でお届けしたのですが…。

両立スタンド
両立スタンドは安定性はあるが、片足スタンドに慣れているという事もあり両立スタンドは却下。
見た目も片足スタンドの方が好きなんだそうで。

サイドスタンド
で、片足スタンドに変更しました。 個人的にもこちらの方が良いかな。
ストッパー付きのブレーキレバーを装着しているので、それも活用したかったらしいです。

完了

完了
先日、子供のバスケの試合が県体育館で行われたのですが『今日乗ってきた。すごく乗りやすかった!!』
と喜んで頂けました。

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古いBSのメンテナンス

明けましておめでとうございます。
旧年中は沢山のご利用を頂きありがとうございました。
本年も一層のサービスと技術の向上を目指し、皆様のご希望に添えるよう努めていきたいと思っております。

Facebookはちょこちょこと更新していたのですが、ブログの更新は滞っていました。
年も明けたという事で久しぶりの更新です。

昨年のまだ暑い時期に知人のUさんから相談がありました。
奥さんが使用している古いブリジストン。以前、当店でスポークの全交換をした事があります。
そのホイールを娘さんの自転車に載せ替えをする事になり、色々な経緯からこちらの自転車は私が譲り受けました。

BS
20年近く前の古い自転車なのですが、さすがブリジストン造りがとても良く雰囲気もなかなか。

ハンドル周り


キャリア


フロント



サドル


旧パーツ類
長年大切に乗られていたとはいえ、経年で傷んでしまったパーツ類。
黒いパーツは雰囲気も暗くなってしまうので、まとめて取り外しましょう。

ステンレスパーツ搭載中
手持ちのステンレスパーツに交換します。
ハンドルは過去の修理でも使用した事のある、やや幅広の手前に引きのあるタイプ。

ブレーキレバー
ブレーキレバーはダイアコンペのストッパー付きレバー。
駐輪中にストッパーを使用するとブレーキにロックが掛かった状態になります。
片足タイプのスタンドを使用している自転車にはなかなか有効なレバーです。

途中経過
あまり実用的ではない浅めのカゴを取り付けし、第一段階のメンテは終了です。
荷物も載せる事ができるし、近所のちょい乗りには最適な1台になりました。

が、ここで思いついた事があり、次回につづく。

丸石 フラッカーズ パパ

丸石 フラッカーズパパ。 子供乗せ車です。

丸石フラッカーズパパ
お子さんが大きくなったので、『前の子供乗せの部分を外したいのですが。』というご依頼です。
以前からそういうご相談をされていたので、構想は練っておりました。

前子供乗せ
残念ながら画像は残っていないのですが、過去に2件同様のご依頼が有り経験済みです。
基本的な部品は共通なので、不可能なご依頼ではありません。

前子供乗せ
フラッカーズパパはハンドルの構造がややこしいのですが、以前グリップ交換をしているので問題無し。
グリップ交換時に各部グリスアップをしていましたので、分解もスムーズに行えました。

ハンドル
『アップハンドルはどうも苦手なので、何か良さげなハンドルがあれば…。』という事でしたので
若干手前に引きの有るタイプのハンドルを取り付けました。
純正のハンドルも乗車姿勢はアップ気味なのですが、実際アップハンドルを取り付けると
ハンドルのエンドが、より手前にきてしまいちょっと窮屈感があります。

子供乗せを外してしまうとフロントの重量が軽くなってしまうので、
やや前傾姿勢が取れるハンドルの方が、車重のバランス的に良い感じでした。

ヘッド
問題点はこのヘッドチューブの長さです。
前に子供乗せが付いている自転車は、一般車と比較するとかなり短いです。
この車両はさらに短い様でした。
ヘッドパーツは一般的なサイズでしたので、カゴステーは問題無く装着できました。

金具
カゴの取り付けにちょっと工夫が必要で

カゴ裏
裏側はこんな感じにステーで延長してあります。
ここは今後の課題になりそうですが、今回はガッチリ固定する事ができました。

ハンドル周り
乗車姿勢が変わってしまうので、ブレーキワイヤー等の長さを決める前に一旦お届けしました。
もうちょっとハンドルが高い方が良いとの事でしたので、ステムを変更してあります。

ハンドル・カゴ
ワイヤーの長さやレバーの角度を調整し完了です。

完了
一般車の部品の規格はほぼ決まっています。
なのでこういった仕様変更も可能な事が多いですね。

部品の値段や作業工賃の関係もありますので、仕様変更に関する価格はお問い合わせ下さい。

バック拡げの検証

ホーザンのバック拡げという工具です。

コウモトサイクルさんと色々と情報交換をしているうちに、ある事に繋がりました。
・エンド幅がやたらと拡がっている自転車がある。
・エンドが拡がった自転車は、ブレーキ側のチェーン引きが外されている。
・タイヤ交換の形跡は有るのに、チェーンの張り調整がされていない。   
等々

これらの事案は『バック拡げ』を使用してタイヤ・チューブ交換をしているんでしょうね。
という結論に達しました。

バック拡げ
師匠が所有していたのを思い出し打診してみると『全然使ってないから、検証してみるといいよ。』と
お借りできたので、コウモトさんと検証してみました。

作業前
処分でお引き取りした自転車を使用します。

タイヤ・チューブ外し
先ず車輪を付けた状態でタイヤ・チューブをリムから取り外します。

バック拡げをセッティング
リアブレーキのワイヤーを解除し、ブレーキ側のナットを外します。
チェーンステーに『バック拡げ』を設置し、ハンドルを回していきます。

バック拡げ開始
コウモトさんから、バック拡げ開始です。 ハンドルを回すとみるみる拡がりました。
もちろん僕も挑戦してみました。
嫌な手応えを感じますし、ミシミシと明らかに負荷が掛かる音がします。

シャフト
左右のフレーム(チェーンステー)を均等に拡げてはいません。
ブレーキ側のチェーンステーは外側に曲がりが発生している様です。

リアエンドとシャフト
ブレーキ側のシャフトの長さ分を拡げてみました。
タイヤ・チューブを取り出すには、ここからさらに拡げる必要があります。

鉄フレームの場合は素材の性質上『しなり』に許容範囲は有ると思いますが、
ここまで拡がると許容範囲の以前の問題ですね。
小径自転車のチェーンステーが短い物や、アルミフレームに使用するのは以ての外です。

バック拡げ解除
タイヤ・チューブが取り外せたので、『バック拡げ』を解除してみました。
『バック拡げ』を外しても、これだけクセが付いて拡がってしまっています。
チェーン引きの取り付けは不可能では無いですが、やたらと手間がかかるでしょうね。
チェーン側のナットは緩めなくても『タイヤ・チューブの交換』はできていますが…。

締め込み
じゃ、拡がっているフレームにホイールをどうやって納めるかというと。
『バック拡げ』をシートステーに咬ませて締めていきます。
何事も無かった様にブレーキ側のナットを締める事ができました。

お互い『バック拡げ』を使用してタイヤ交換を行う自転車店が有るという話は知っていました。
検証後は

「慣れていないせいもあるけど、思ったより効率的じゃない。」

「フレームにダメージを与えるのを理解していながら、このやり方でやってるのはどうなの?」

「これが正規のやり方だから!! この位じゃ自転車は壊れないからって言い切るんじゃない?」

「これ使わずにやってくれって言ったらどうするか、まさかの別料金!?」

「自分の自転車もこの方法ですか?って聞いてみたい。」

「自分のではやらないでしょう。結局お客さんをバカにしてる。」

と、かなり話が盛り上がりましたが、使用してみた結論は『やっぱりウチらは使わないね!!』という事でした。

プジョー 22インチ

毎年の事ながら、夏場はなかなかブログの更新ができずに終わってしまいます。
アップ出来なかった修理等を紹介します。

プジョーの22インチ自転車。
以前からちょこちょこと修理のご依頼を受けていた自転車です。
『すごく気に入っていて、これからも長く乗りたいので』という事で、メンテナンスのご依頼です。
しかも『色々と仕様変更してもらっても構いません。おまかせします!!』とのことでした。

PEUDEOT
ネットで詳細を検索してみると、ライセンス物では無く本当にプジョーの製品の様です。
各部をチェックしながら構想を練るとしましょう。


フロントハブ

後輪

リアハブ
ホイールは純正部品ではありません。 ここは購入時に説明を受けたそうです。
サビ止めにシルバーで塗装されています。
前後ハブは回転も渋く、見た目も良くないので組み換えをします。

フロントブレーキ
センタープルのフロントブレーキ。
雰囲気は良いのですが、ブレーキ時にたわんでしまい制動力にやや難有りです。

クランク
コッタードクランクですね。 現行車ではほとんど見る事は無いかもしれません。


スポーク製作
ホイールの組み換えです。22インチ用のスポークはサイズが無いので製作します。
前後共28穴でしたので計56本でした。

リアホイール
現状のハブは一般車用の14Tのコグで、ギア比がかなり重い状態です。
今回は内装3段ハブを使用することにしました。
内装3段ハブは回転も良く変速も可能、コグの変更もできるのでギア比の選択もできます。

リアホイール
フレームとスタンドの形状から、ローラーブレーキの取り付けは残念ながら出来ませんでした。
バッチリ収まってますね。 そうそう簡単ではありませんでしたが。

フロントハブ 新品
フロントハブは一般車用の物です。
新品を分解したところです。粘度の低いグリスで量も少ない上に回転も硬い硬い。
新しくグリスを充填し、回転も調整します。

グリスアップ
修理交換用の新品ホイールや、新車の場合でも同様の事があるので必ずチェックするところです。

リアブレーキ
リアブレーキは色んな部分のクリアランスが狭く、調整もかなり難しい形状です。
ブレーキシューはカンチブレーキの物を使用しました。
画像を撮り忘れましたが、フロントはアルミ製のサイドプルブレーキに変更してあります。

完成
その他、前後のタイヤ・チューブやチェーンも交換しました。

外見上はお預かり時の画像と大きい違いはありませんね。

お届けの際に各部の説明をしまして試乗して頂くと、あまり軽快さにビックリされていました。
内装3段はご存じ無かったそうで、回転や使い勝手の良さを気に入って頂けました。